2018年4月24日 5:49 PM

『第77回理学療法通信』

『かけ声効果について』

春になり暖かくなってきましたね。春は引越シーズンですが、気分も変わりお部屋の片付けや模様替えも楽しい季節ですね。さて、ベットやタンス、ダンボールなど重い物を持ち上げるときに「どっこいしょ!」とか「せーの!」と大きな声を出して物を持ち上げると、なんだか重い物でも軽くなる感覚になる気がするかと思います。声を出さないで動作を行う方もいらっしゃるかと思いますが、今回は、この「どっこいしょ!」とか「せーの!」といったかけ声のプラスの効果についてご紹介したいと思います。

●大きな声を出すと脳が活性化する

かけ声と筋力は密接に関係しており、声を出すことにより脳が活性化され、筋肉への神経伝達速度が上昇するため、身体が動きやすくなります。そして、大きな声を出して力を入れた場合と、黙って力を入れた場合とでは、大きな声を出した場合の方が最大筋力はより増大するという研究も報告されています

●かけ声による脳の活性化の仕組み

大脳と脊髄の間にある脳幹(のうかん)というところには網様体賦活系(もうようたいふかつけい)というところがあります。強い感覚刺激によりノルアドレナリン神経系が活性化し、網様体賦活系が刺激されます。網様体賦活系が刺激されることにより大脳が覚醒状態にシフトされます。その結果、交感神経(活動を司る神経)が興奮します。また、脳を覚醒状態にするためには、セロトニンという神経系も大きく関わっており、その生理作用は自律神経を調節したり、メンタルや集中力を高めたりします。大きな声を出すことによりこれらの神経系が活性化し、網様体賦活系を通じて脳が覚醒し集中力を高めた状態で力を発揮するため、通常以上の力が発揮されるという仕組みです。

★ 生活場面で使える声かけ効果 

●重い荷物を持ち上げるときに「よっこらしょ!」とできるだけ大きな声で言ってみましょう。

●高齢者や体格差のある方に立ち上がって頂く際には、1,2,3の3で立って頂けるように「いっちに~のさーん!」と大きな声で誘導してみましょう。また、介護者が声を出すことで介助される側もつられて声を出す場合があるので、是非、お試しください。

●体が不調の時でも、気合をいれて「どっこいしょ!」と立ち上がってみましょう。その他、どこかで聞いたことがあるかと思いますが、脳を活性化させるために、「気合だ!気合だ!気合だ!」と大きな声で言うこともオススメしたいと思います。

★より大きな力を発揮させるためには、集中力を高めておくことも重要です

集中力を高める運動はウォーキング・ランニング・座禅・自転車こぎ・ガムを噛む運動が有名ですが、改めて考えると、これらの動作を行っている時に、いつの間にか無心になり、ハッ!と我に返る時がありませんか?これこそ、脳の血流が増加して集中力が高まった状態です。(いわゆるゾーンに入っている状態)いつでもゾーンに入れるよう、日頃から集中力を高めておくことも大切ですね♪

 

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