2018年6月27日 10:25 AM

『第79回理学療法通信』

『杖の選び方について』

超高齢化社会になった現在、杖や車椅子などといった福祉用具はドラックストアや薬局、ホームセンターなどで気軽に購入できる時代になりました。街で周りを見渡すと、意外にも不安定な杖の使い方をされている方が多いことに気がつきます。今回は、一般的な杖(T字杖)を購入するときの杖選びのポイントを簡単にご紹介したいと思います。尚、現在杖を使用されている方も見直しすることで安定性が増すことがありますので、ぜひチェックしてみてください。

T字杖を選ぶときのチェックポイント

・杖の太さ(周径)は細すぎないか?

杖の太さ(周径)が細すぎると杖をついた時にバランスを崩しやすく転倒につながる恐れがあります。杖の太さは、なるべく標準的な太さの杖を選びましょう。おおよそですが、パイプの太さは手元が21mm・杖先19mm・キャップ接地部分3.8cm程度のベーシックタイプが適当かと思います。歩行時のふらつきや歩きに自信がない方は、是非お試しください。ただし、杖が太い場合は重さが気になる方もいるかと思います。その場合は、軽量でもなるべく太い杖を選ぶと良いでしょう。

・杖の高さは調整可能か?

杖の高さ調整ができない場合、杖本来の機能である「体重を支える」ことが不十分になることがあります。杖の高さが原因で転倒につながることもあるため、できるだけ高さ調整のできる杖を選びましょう。折りたたみ可能な杖は便利ですが、杖を組み立てた時の杖の高さがご自身の身体に合うかどうか確認してから購入すると良いでしょう。また、杖の高さは一般的に太ももの外側に出ている骨のあたりに持ち手がくる高さが良いと言われていますが、正確な高さ調整については個人差があるため、理学療法士などの専門家に診てもらいましょう。

・杖の先端は、杖の素材がむき出しになっていないか?

市販されている福祉用具の杖の先端はゴムキャップが付いているものがほとんどです。しかし、杖の素材が「木材」を使用した物の場合、杖の先端にキャップのないものも多く、「木」がむき出しになっている場合があります。杖の先端部分は歩くときに支点となる部分ですが、先端部分がむき出しになっていると杖をついたときに杖が滑ってしまうことがあるためとても危険です。転倒につながらないように先端部分にキャップのついている物を選びましょう。

 

 

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