2020年11月4日 12:32 PM

『第98回理学療法通信』

質問者からの相談

母は、86歳の介護3で軽度の認知症があります。食事について質問ですが、普段はスプーンを使用できますが、上手に使えず手づかみで食べてしまいます。認知症が進んでしまったとは思いますが、何かいい方法はないでしょうか?

理学療法士からのアドバイス

普段は、スプーンが使えるということがポイントかと思います。通常は箸で食事が出来ていたり、手掴みでも食べ物を口に持っていく事ができています。つまり、お母様は食べ物を食べ物と理解されているので、少しずつ食事動作の手順を促していきましょう。

まずは食事環境を整えましょう。

食欲に任せて手掴みで食べてしまうと、のどに食べ物を詰まらせたり、むせ込んでしまったりするので、できるだけ介助者がゆっくり順を追って食事を提供することをお勧めします。また、86歳という年齢からも、嚥下機能(食べ物を噛むことや飲み込むこと)が低下してきているので、ゆっくり召し上がって頂けるようサポートしましょう。

・食べ物は沢山提供せずに、少しずつ提供してみましょう。

目の前に、食べ物が沢山あると好きな物から手当り次第に手掴みで食べてしまう可能性があるので、

食事を提供する場合には、目の前にお皿を沢山並べるのではなく1つの小皿に食べ物を移して、

それに集中して召し上がってもらいましょう。

■お母様がスプーンを使わないときは、一緒に手伝ってあげましょう。

はじめの数口は、介助者がスプーンに食べ物をのせて口まで持っていき、食べ物をスプーンで食べると言うことを意識付けします。そのとき、スプーンにのった食べ物を目でしっかり見てもらうことも忘れずに行いましょう。

 ■スプーンで食べるリズムが整ってきたら

・一度、お母様にスプーンを手渡し、食べ物を掬って食べられるか確認しましょう。

・お母様がスプーンを使用せずに食べ始めたら・・・

介助者のスプーンをお母様に渡して手を添えながら一緒に食べ物をすくいます。肘が曲がるところまでサポートすることで、自然とご自身で口にいれることができるようになります。始めのうちは、介助者が誘導してあげて、動作を繰り返していくうちに、お母様の手の動きが出てきたら、それに合わせて介助者の介助量を減らしましょう。

・お母様が食べ物をすくうことに慣れてきたら、反対の手でお皿を持ってもらいましょう。

お皿を持って頂くことで、さらに食べ物に集中できるようになります。

 

コメント

コメントはまだありません。

コメントする

先頭へ戻る