2021年4月30日 10:22 AM

『第101回理学療法通信』

質問

『母は、88歳で寝たきりの要介護5です。普段、床ずれができないように2時間ごとに左右の向きを変えていますが、左向きが嫌なようで気付くと右に向きを変えてしまいます。クッションを当てているのですが、押しのけてしまいます。何か良い方法はないでしょうか?』

 

理学療法士からのアドバイス

★お母様の生活状況から、右側の体の動きは比較的いいようです。右に身体を向けてしまう理由は、おそらく左向きが不快に感じるからと考えられます。

 

■お母様が左を向いた時に手や足の位置を確認してみましょう。

手や足が身体の下に敷き込んでいたりすると、時間経過と共に体が痛くなってしまいます。体位交換後に手や足の位置が体の下にないかを確認し、下側になる手足を少し前に出してみましょう。また、左の手足やお尻に傷などがあると、痛みを回避するために姿勢を変えている可能性があります。入浴時やオムツ交換時、着替えのときなどに身体の傷や赤くなっているところはないか確認してみましょう。

 

■体位交換後に、本人様の身体の位置がベットの端に行き過ぎてないか?

目の前に柵があると、誰しもが不快に感じると思います。柵と顔の適切な位置を保つためにお母様はご自身で体の位置を変えている可能性もあります。また、ベット柵に近過ぎる位置だと、転落もありうるので、体位交換後は、真ん中に身体がくるようにしましょう。

 

 

(その他)

■クッションの高さや種類、素材を変えてみるのも一つの方法です。

クッションの硬さや形状によっても変わりますが、クッションが高すぎたり低すぎることで、リラックスできていない可能性があります。お母様が不快にならないようにクッションの当て方やクッションの形状(柔らかさ・高さ・形)などを再度見直してみましょう。

 

■最後に・・・

お母様はご自身で体の向きを変えることができます。「床ずれ」とは、栄養状態が悪く、同一姿勢が長時間続き、骨の突出部などに圧が集中して血流が滞り生じます。上記のアドバイスを試してみて、それでも左にむいてしまうのであれば、右側と上向きの2パターンを交互に実施してみてもいいかと思います。要は、圧が集中しないようにこまめに体の向きを変えればいいのです。

 

 

 

 

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