2018年9月1日 5:27 PM

『第81回理学療法通信』

『床ずれについて』

私たちは、生活しているときに無意識に姿勢を変えます。例えば、立ち仕事をしていて腰が痛くなったり、足が疲れたときには屈伸や椅子に腰掛けて休憩することができます。また、夜間寝ている時でも寝返りや体の向きを頻回に変化させ、寝心地のいい姿勢に整えています。体に痛みを感じたり、姿勢が不快であることは体からのサインであるため、それをもとに私たちは姿勢を変更することができています。今回は、姿勢を自分自身で変更できない人に起こりやすい「床ずれ」についてご紹介したいと思います。

■「床ずれ」とは

「床ずれ」は、病院や介護施設では一般的に褥瘡(じょくそう)と呼ばれています。年齢に関係なく体や手足の骨の突出部などの皮膚や皮下組織が長時間の圧迫により、血流が悪くなることにより起こります。血流の悪い状態が長時間続くと、最終的に圧迫部分の組織が死んでしまいます。高齢者などご自身で寝返りや起き上がりができない方や、麻痺などがあり全く手足が動かせない方は、家族や介護ヘルパーなど周囲のサポートが必要不可欠となります。

■痩せ型の方は「床ずれ」になりやすい

健康な人の骨は筋肉や脂肪などに覆われていますが、寝たきりの方や、栄養状態の悪い方は筋肉量や脂肪組織が減少していることが多いため、「床ずれ」が起きやすくなります。また、車イスや椅子に座れる方でもご自身で姿勢を変更させられない方や変更する頻度が少ない方は、お尻の骨や背骨などで長時間圧迫される部位が「床ずれ」になる可能性が高くなります。

■「床ずれ」の起きやすいところ(★印)

仰臥位     後頭部・肩甲骨・肘関節・お尻の骨(仙骨)・踵(かかと)

側臥位     耳  肩関節 肘関節 腰の骨(腸骨)

          太もも外側の骨(大転子) 腓骨部 外くるぶし

 座位          肩甲骨 背骨 肘関節 お尻の骨(坐骨)

■「床ずれ」の予防

床ずれにならないようにするためには、予防がとても大切です。「床ずれ」の予防でいちばん大切なことは、床ずれの起きやすいとされている部分が布団や椅子に同じ姿勢で長時間圧迫されないようにすることです。また、体の位置を移動する時や、長時間座っているときに徐々に体がずり落ちる事で起こる「皮膚のズレ」も床ずれの原因になります。「皮膚のズレ」が考えられる時は、ベッドや車椅子等と体の間に一度手を通すなどして、「皮膚のズレ」をなおすことも予防になります。医療現場や介護施設などでは一般的に2時間くらいの間隔で体位変換(体の向きを変えること)を行っています。また、ポジショニングといって、体の向きを変えるだけではなく、余計な力が入らずリラックスできるように、クッションや枕などを適切な場所に置き、安楽な姿勢の提供をしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

コメントはまだありません。

コメントする

先頭へ戻る