2018年12月8日 1:34 PM

『第84回理学療法通信』

「認知症について(1)」

近年、私たちにとって認知症は身近なものになってきました。認知症といっても様々なタイプがあり、今回は、代表的なものについてご紹介したいと思います。

 

 

●脳血管性認知症

(のうけっかんせい認知症)

 

<原因>

主に動脈硬化(血管が硬くなること)が原因となり、脳卒中(脳梗塞・脳出血など)により、脳の神経細胞が死滅することで起こります。

<特徴>

□ 見当識障害:時間・場所・人の名前を忘れ自分の置かれている状況がわからない

□ 物忘れや記憶障害:食事をしたことを忘れる・  薬を飲んだことを忘れるなど

□ 歩行障害や言語障害が伴う:人によっては麻痺や言葉が上手く話せないこともある

□ 実行機能障害:物事の計画を立てて順序立て行うことができない(料理を段取りよく作れない)

□ まだら認知症:認知症状がみられる時とみられない時がある

□ 脳卒中を再発するとその都度悪化する:脳卒中は再発する場合があるため、認知機能もその都度

                                                          低下する

●前頭側頭型認知症

(ぜんとうそくとうがた認知症)

<原因>

前頭葉(感情を司る領域)と側頭葉(聴覚や記憶を司る領域)の萎縮(脳が縮むこと)により起こります。

<特徴>

・同じ事を何度も繰り返す:毎日、本人の好む行動パターンがありそれを実行しないと気が済まない

・食べ物や行動など異常な執着がある:冷蔵庫に食物を次から次に詰めこみ、物が腐っているのに気付かない

・集中力や自発性がなくなる:飽きっぽい・じっとしていられない・興奮しや すい・抑制が効かない

・万引きなど反社会的な行動が見られる場合もある:人のものを盗ったりする行動が見られる

 

●アルツハイマー型認知症       

 

<原因>

特殊たんぱく質(アミロイドβ・タウ)が脳に溜まることが原因とされており、神経細胞が壊れて死んでしまうために起こります。記憶を司る場所(海馬)の血流が悪くなり記憶障害などが目立つようになります。

<特徴>

・体験そのものを忘れてしまう物忘れ:食事をしたことを忘れてしまう

・判断力の低下:真夏に冬服を着る・調理の際、調味量を入れすぎてしまう

・失行・失認・失語:身近な物の名前がわからない・ズボンを頭に被る・

          身近な物の使い方が わからない

・時間・場所・人を忘れる:家族の名前を忘れる、自分がどこにいるかわからない

・行動・心理症状が出現する:人によっては、物取られ妄想・徘徊・昼夜逆転などがみられる

●レビー小体型認知症

(レビーしょうたいがた認知症)

 

<原因>

レビー小体という特殊たんぱく質が大脳皮質や脳幹(生命活動を司るところ)に異常に蓄積されることで起こる。

<特徴>

・幻覚・幻視:壁のシミが虫に見える・子供が沢山いるなど実際には見えないものが見える

・日内変動がある:一日の中で、頭がハッキリしている時と、ボーっとした時がある

・うつ症状:ふさぎ込んでしまい活気がなく、何もしたくない状態になる

・睡眠中の異常行動:睡眠中に暴れる・大声を出す、眠れない

・パーキンソン症状と似た症状がみられる:突進するように歩く・震える(振戦)・動作が緩慢

                         小刻み歩行

 

 

 

 

コメント

コメントはまだありません。

コメントする

先頭へ戻る