2019年2月6日 10:07 AM

『第86回理学療法通信』

『認知症について(3)』

これまで、認知症についてご紹介してきましたが、今回は一般的に効果的とされている認知症予防についてご紹介したいと思います。

■認知症は「生活習慣病」とされている?!

・多くの研究の中で、認知症は「生活習慣病」という考え方が広まっています。例えば、脳血管性認知症は、脳梗塞の原因となる高血圧や動脈硬化などから生じるため、食生活を見直したり、適度な運動を行うことで認知症になるリスクを軽減できるとされています。

■認知症予防に良いと言われる食べ物

★アルツハイマー型認知症・レビー小体認知症には「抗酸化物質」が有効とされている。

<抗酸化物質をたくさん含む食材>

・ウコン(ターメリック)、ポリフェノール(ワイン)、コーヒー(香料がついてない物)

★脳血管性認知症には「脂肪酸」の摂取に注意が必要で、「脂肪酸」は生活習慣病の発症や

予防に深く関連している。

不飽和脂肪酸(魚油や植物油に多い)

大豆油、ゴマ油、豆腐、油揚げ、味噌などに多く含まれており、植物の油や魚の脂肪に多く含まれます。摂り過ぎは、肥満や脂質異常症などの原因になりますが、適量であれば中性脂肪やコレステロール低下作用をもち、動脈硬化症予防効果があるとされています。

飽和脂肪酸(動物性の脂質に多い)

ベーコン・ソーセージ・チーズ・バターなどの食品に多く含まれており、肉や乳製品の脂肪に多く含まれます。過剰摂取で動脈硬化や脳卒中のリスクが高くなると言われています。

トランス脂肪酸(天然の植物油にはほとんど存在せず、人工的に作られた硬化油)

マーガリン・パン・ドーナツなどの食品に含まれており、これを長期的に摂取していると、動脈硬化が起こり虚血性心疾患のリスクが高くなり、認知機能の低下などが問題視されています。

認知症に良いと言われる脂肪酸

・オリーブオイル:善玉コレステロールを下げずに悪玉コレステロールを下げる作用

・えごま、亜麻仁油:中性脂肪、コレステロールを下げる効果がある。

■ その他、認知症に良いとされる食べ物

【ビタミンCを含む食材】

・野菜類:赤ピーマン、芽キャベツ、パセリ、ブロッコリー

・果物類:アセロラ、いちご、キウイ、デコポン

・魚介類:たらこ、すじこ、いくら

【ビタミンEを含む食材】

ビタミンEは野菜類・果物類・魚介類に多く含まれているそうです。

・野菜類:モロヘイヤ/赤ピーマン/自然薯/大根葉

・果物類:うめ/アボガド

・魚介類:あんこうのきも/すじこ/いくら

食生活を見直し、適度な運動を行うことで生活習慣が健康的に改善すれば、動脈硬化や高血圧の予防につながります。毎日の心がけで認知症リスクを低下することができるので、早速生活習慣を見直してみましょう。

【引用文献】

・大友英一 (2005年)『毎日できちゃうボケ防止』 求龍堂.

・参考URL

医療法人社団 緑会 佐藤病院 ホームページ「認知症予防の食事」

<http://midori-satohp.or.jp/article/41.html>(アクセス日:2018.12.31)

・参考URL

旬の食材百科 ホームページ 「ビタミンE」「ビタミンC」

<http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/Vitamin/eiyou/ehtm>(参照2018.12.31)

<http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/Vitamin/eiyou/chtm>(参照2018.12.31)

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