『誤嚥性肺炎について(2)』
前回は、誤嚥性肺炎についてご紹介させていただきました。今回は、食べ物が口から食道へ入るまでの一連の流れ(動作)について簡単にご紹介させて頂きます。この一連の動作がきちんとできていないと、誤嚥性肺炎になる確率が高くなります。
【先行期あるいは認知期】
・食べ物を見て食べ物と認識する
この時期は、目で食べ物を確認し、匂いを嗅いで、食べ物の形状などを認識する時期です。
・おいしそうな匂い。早くこの食べ物を食べたい
・食感が固そうだからしっかり噛もう
・お茶が熱そうだからゆっくり飲もう
・昔、食べた食べ物で苦手な食べ物だから食べるのをやめようかな等
【準備期・咀嚼期(そしゃくき)】
・食べものを噛む
食べ物を口に入れた後、歯、頬の筋肉、顎(あご)の筋肉、舌を使い、食べ物を細かく噛み砕きます。そして、食べ物と唾液を混ぜ合わせ、口の中で飲み込みやすいカタチ(形状)を作る時期 です。また、飲み込みやすくした食べ物の形状を食塊(しょっかい)と言います。
【口腔期(こうくうき)】
・食べ物をノドの奥に移動させてゴックンまで
この時期は、噛み砕いた食べ物を舌でノドの奥へ送ります。ノドの奥に食べ物が送られると舌の奥の部分が口の粘膜の天井部分にぴったりと張り付き「ごっくん」され、食べ物が飲み込まれます。
【咽頭期(いんとうき)】
・食べ物を飲み込んだ後、食道へ食べ物が落ちるまで
この時期は、食べ物がノドの奥を通過し、食道へ流れていきます。食べ物がノドの奥を通過する際、口の奥の粘膜とノドの奥が接触し、鼻への通路を塞ぐことにより鼻への逆流を防ぎます。また、普段は呼吸をするために気管は開いていますが、食べ物がスムーズに食道を通過するためには、気管にフタをする必要があります。このフタの役目を果たすのが、喉頭蓋(こうとうがい)と言い、食べ物がスムーズに食道を通過する際に、とても重要な働きを担っています。
【食道期】
・食べ物が、蠕動運動(ぜんどう運動)によって食道を流れていく時期です。
蠕動運動は意識的に行われない不随意運動で行われています。
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