2024年11月1日 1:01 PM

『第112回理学療法通信』

はじめに

「へバーデン結節」という病気はご存じでしょうか。聞きなれない方もいるかと思いますが、実は、身近で困っている方も多いのが現状な病気です。最近は、雑誌でも特集が組まれるほどの病気で、認知度も高まってきていますので、今回は、この病気のご紹介とセルフケアについてご紹介したいと思います。

●へバーデン結節ってなに?

この病気は、手の指の第一関節の痛み・腫れ・変形が主な症状です。手の指の使い過ぎなどによって関節軟骨がすり減り、痛みが生じるものとされています。また、軟骨がすり減ることにより骨と骨が衝突しやすくなり、骨が尖ってきます。(骨(こつ)棘(きょく)形成(けいせい))その他、加齢も影響していて40歳以降の女性に多いとされています。特に女性ホルモンであるエストロゲンが減少することも関節の炎症を進行させる要因ともいわれています。

       

●へバーデン結節の症状

普通に生活していて、「ズキっ!」と指が痛くなることがあり、「最近、生活していて指が痛いし、なんか第一関節が曲がってきている」と不安になるケースも少なくありません。また、指が曲げにくい症状と痛みがあることにより、仕事中や家事、服を着脱するときなどで痛みを常に感じるようになります。関節の痛みのため、怖くなって、リウマチと疑ってしまうこともありますが、リウマチは、指以外の関節に痛みやこわばりが生じますので、指が痛いなぁ~と感じた時には、肘や足の関節の痛みがあるかなどを確認してみるのもいいかと思います。

●へバーデン結節は最終的にはどうなるの?

関節の炎症が進行している間は、痛みが生じますが、最終的には痛みはなくなります。しかし、骨棘ができてしまっていると、痛みがなかなか改善しにくい場合もあります。

●手術とかはある?

痛みを取り除くために関節を固定する手術や関節にできたトゲ(骨(こつ)棘(きょく))を取るための手術があります。ただ、手術したことで痛みが消失しても、関節が固定されているため日常生活に支障が生じる場合もあるため、医師とよく相談の上、慎重に決めていくのがいいでしょう。

セルフケア

へバーデン結節は進行性の病気でもありますが、関節の痛み(炎症)を和らげたりすることはセルフケアで可能なため、次にご紹介する方法を参考にして頂くといいでしょう。

●アイシング

関節の痛みがひどい時は、アイシングを実施する場合もあります。ただ、冷やしすぎに注意しましょう。冷やすことで、逆に痛みが強くなる場合もあるので、痛みを感じたらすぐにやめましょう。

●温熱

痛みがない時に、入浴時に少し曲げ伸ばしをしてあげることで動きがスムーズになる場合があります。

●湿布

気休めかもしれませんが、痛みを緩和するものなので、有効。

●テーピング

  痛みの緩和、変形の進行を緩やかにすることを目的に、少し伸びのあるテープを関節に沿って横に1~2周グルグル巻く方法があります。使用するテープに決まりはないので、薬局などに売っている伸縮性のあるテープや、絆創膏などいろいろ試してみるのもいいでしょう。

<テーピングの1例>

       

<市販のテープ:巻き方例は箱を参照>

 

引用元:ウエルシア公式通販サイト 引用元:Amazon.co.jp

(その他)

●へバーデン結節の予兆として、第一関節付近の水ぶくれができることがあるそうです。

水ぶくれができた際には、潰さずに様子をみるのがいいでしょう。

 

●「プシャール結節」という別の病気

へバーデン結節は、第一関節だけの病気ですが、第二関節も同時期に同じように痛くなるものを「プルーシャル結節」といいます。指の関節が痛くて日常生活に支障が生じるときなどは、自分で治そうと思わず、整形外科などに受診されることをお勧めします。

 

●関節が痛いからといって、関節を触りすぎるのは要注意です。痛みや進行を早めてしまうこ とがあるので、注意しましょう。

 

 

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