『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)について(1)』
高齢者や脳卒中の後遺症などにより、口の筋肉や喉(のど)の機能が衰えたり、麻痺などによって、食べ物を噛んだり、唾液や飲み物を上手に飲み込むことができないことを嚥下障害(えんげしょうがい)といいます。誤嚥性肺炎はこの嚥下障害が主な原因で起こります。
【誤嚥(ごえん)とは】
嚥下障害が原因で、食べ物や飲み物、唾液に混じった口腔内の雑菌が、胃につながる食道に流れるのではなく、誤って肺へつながる気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。
【誤嚥性肺炎とは】
食べ物や飲み物、唾液等が気管に入ってしまうことを誤嚥といい、誤嚥が原因で引き起こる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
【誤嚥性肺炎の症状】
○ 数日間熱が出る ○ 呼吸が苦しそう ○ 元気がない
○ 痰が出る ○ 呼吸の雑音が聞こえる
【こんな症状ありませんか?】
以下の項目は、誤嚥性肺炎になりやすいサインです。この項目に当てはまる場合、口や喉のまわりの筋肉を使う運動や、飲み込む練習が必要です。また、食べ物を食べやすくしたり、飲み物を飲み込みやすくする食事の工夫も必要です。
□ 食事中によくムセる(咳をする) □ 食べ物をよくこぼす
□ 飲み物が口からこぼれる □ 食後に声が嗄れる
□ 飲み物をゆっくり飲まないと飲めない □ 唾液を飲んだだけでもムセる
【こんな生活してませんか?】
□ 固い食べ物を殆ど食べない □ 普段、あまり大きな声を出さない
□ 歯磨きが嫌い □ 食べ物を噛まないで飲み込む
□ 食事中に食べ物をかきこむ □ 食事は一人で食べる
□ 食事中、口の中が食べ物でいっぱい □ 姿勢が傾き、食べづらい
□ 他の人とあまりお話しをしない □ 食事中に黙って食べる
□ 全体的に運動不足 □ 笑わない
上記の項目に当てはまる方は、唾液分泌の低下や口のまわりや喉の筋力の低下につながりやすい生活習慣です。誤嚥性肺炎の原因となる嚥下障害リスクを事前に予防し、これから先、食事を楽しく美味しく食べるためにできることを今のうちからしておきましょう。
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