2018年3月2日 5:14 PM

『第75回理学療法通信』

『こむらがえり』

みなさんは、「こむらがえり・こぶらがえり」という言葉を聞いたことはありますか?凝り固まった体をおもいきり指の先まで伸ばしたときに、痛みと同時に筋肉がひっくり返るような感覚のあれです。また、サッカー選手やバスケットボールの選手が競技中によく足が攣ってチームメートに足を伸ばしてもらっている光景をみたことのある方も多いかと思います。

今回は、この足が攣った状態(こむらがえり)についてお話させて頂きたいと思います。足が攣る(こむらがえり)の明確なメカニズムは解明されていませんが、足が攣った状態というのは、筋肉が過剰に収縮した状態にあります。その原因は次の通りです。

 

●こむらがえりの原因●

  • ミネラル不足

人間の体の60パーセントは水分です。その体に必要な水分のことを電解質(イオン)といいます。ミネラルは、主に、カルシウム・マグネシウム・カリウム・ナトリウムなどの栄養素を指します。ミネラルはイオンとなって細胞の外と中でバランスを保って存在していますが、そのミネラルバランスが崩れると足が攣るといわれています。

  • 筋肉疲労

筋肉の収縮は、細胞内のカルシウムイオン濃度が高まることで生じます。長時間の運動をすると、人は汗をかき、汗をかくことにより水分と一緒に体内のミネラル分が失われます。特にマグネシウムは、汗と一緒に排出されることにより、細胞内にカルシウムイオンを停滞させてしまいます。細胞内のカルシウムイオン濃度が高まってしまうことにより、筋が過剰に収縮し、さらに、細胞膜内外の調整機能も低下してしまうため、細胞内と細胞外のイオンバランスが崩れることにより、筋収縮のメカニズム(筋肉の伸び縮み)に誤作動が生じ、その結果、筋肉の痙攣や筋疲労が起こると言われています。

 

●こむらがえりの対処法●

まずは、力を抜きましょう。筋肉が過剰に収縮している為、深呼吸をして慌てずに対処しましょう。

ふくらはぎが攣った場合:膝を伸ばした状態で足首をゆっくり天上に向かって立て、ふくらはぎの筋肉を伸ばしていきます。足首の立てるスピードが速すぎると、さらに筋収縮が強くなってしまうため、ゆっくり動かすことをおススメします。足を立てても改善しない場合は、手で足を持ってゆっくり伸ばしましょう。手が届かない場合は、タオルを足の裏に引っかけてふくらはぎの筋肉を伸ばすとより効果的です。

太ももの裏が攣った場合:攣った足の踵を段差など台の上に乗せて、足首を上に立てた状態で体をゆっくりと前屈させます。そのとき、膝の上を手で軽く押さえると太ももの裏がより伸びるので、お試しください。近くに仲間がいる場合は、寝た状態で仲間に太ももと踵を保持してもらい、膝を伸ばした状態でゆっくり頭の方に挙げていき、太ももの裏のストレッチしてください。痛みが出る直前(適度に筋肉が伸びるところ)で、持続的に伸ばしてもらいましょう。

 

●こむらがえりの予防●                           yjimage[1]

 ★ 栄養をたっぷり摂取し、水分もこまめに摂りましょう。

 ★ 温かいお風呂にゆっくり入り、筋肉をリラックスさせて日々の

   疲労回復に努めましょう

 ★ 血行不良にならないように、軽いマッサージやストレッチなどを

   日頃から心がけましょう。

 ★ 準備体操なしでのスポーツや急にダッシュするなどの行為は危険

   です。適度に筋肉を動かしてから運動しましょう。

 ★ 激しい運動や長時間の運動をする時には、ミネラルが不足しないように水や麦茶ではなく

   スポーツドリンクなど、体内のミネラルを補うドリンクをおすすめします。

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