『誤嚥性肺炎について(4)』
今回は、誤嚥性肺炎を防止するために、当施設でも実施している体操について、ご紹介したいと思います。また、昼食前に実施することで、ご飯を美味しく食べられるよう運動しています。
●リハビリ体操
当施設で実施しているリハビリ体操の目的は、肩まわりの動きをよくするための運動でもありますが、大きな声で数を数えることで、唾液(だえき)が沢山出るのを促しています。声を出して頂き、唾液が溜まった頃に、声をかけてゆっくり飲み込んでもらい、飲み込む練習も同時に実施しています。ここでは、口腔機能を高める運動の一部をご紹介します。
★両手を組み天井に向けて手を伸ばし脇の外側を伸ばします。(大きな声で10秒数えます)
■この運動は、10回数え終えたら、1回1回手を下ろして次の運動を実施しましょう。
■手が挙げられない方は、胸の高さで行なって頂き、麻痺のある方は片手で行なって頂いております。
手を上に挙げて脇の 左に倒します 右に倒します
下を伸ばします
★両肩を耳に付けるようにすくめ、上に挙げたらゆっくり肩を下ろします。 (10回数えながら実施します)
■1回1回挙げて下ろすを繰り返します
★両肘を曲げた状態で肩甲骨を回します。(前まわし10回・後ろまわし10回)
●口腔体操
■口腔体操の前に唾液を一度、飲み込んで頂き、そのあとにお茶を飲んで口の中を湿らせます。
★唾液が沢山出る、ポイントがあり、そこを指の腹を使ってマッサージします。
初めは、唾液が出にくいですが、何回か繰り返すことで軽く押すだけで直ぐ出るようになります。
【耳の前の頬をぐるぐるマッサージします】
【親指で奥歯の内側から顎(あご)の下に向かって軽く押し上げながら移動させる】
矢印の方向に 親指の腹で、軽くあごを
親指を移動させる 突き上げるように押します
★頬(ほほ)の筋肉を動かします。(ゆっくり5回程度実施)
頬を膨らませます 頬を内側へ凹まします
★舌を出して動かします。(3~5秒程度保持)
舌を下に伸ばします 舌を左に動かします
舌を右に動かします 舌を上に動かします
★「パ」・「タ」・「カ」・「ラ」をそれぞれ5回連続して大きな声で発声します。
・ラッパの「パ」を大きな声で「パ」「パ」「パ」「パ」「パ」
・たぬきの「タ」を大きな声で「タ」「タ」「タ」「タ」「タ」
・カラスの「カ」を大きな声で「カ」「カ」「カ」「カ」「カ」
・ラッパの「ラ」を大きな声で「ラ」「ラ」「ラ」「ラ」「ラ」
食事の前にしっかり運動することで、食べる動作に必要な筋肉を積極的に動かし、唾液がたくさん出るように心掛けましょう。毎日行うことで、頬の筋肉も柔らかくなり、ご飯が美味しく食べられるようになるでしょう。
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