2023年9月5日 3:59 PM

『第105回理学療法通信』

質問者からの相談

高齢者がコロナによる感染や病気が原因で、著しく体力・筋力低下したとき、回復後の運動内容を教えてほしい。

 

  • はじめに

運動を開始する前に、基礎疾患などがある方は、身体のことをよく知っているご自身の主治医や医療関係者に「やってはいけない運動」や「注意事項」などを確認しておきましょう。また、「体力をつけなきゃ!筋力をつけなきゃ!」と急に激しい運動を行うのは危険なので、運動はご自分のペースでゆっくり行い、できることから始めましょう。特に、翌日に疲労が残らない程度に運動することが大切です。

 

  • 規則正しく生活する

まずは、日常生活を規則正しく送ることから始めましょう。例えば、朝は決まった時間に起きて、太陽を浴びて3食しっかり食べること。朝も昼までゴロゴロしていたり、夜も遅くまで起きていると、生活リズムが崩れてしまいます。生活リズムが崩れてしまうと、寝不足の状態で運動することになり、朝の目覚めが悪くなるのでやめましょう。

 

  • 起きている時間を長くする

体調が悪いと、寝ている時間が多くなっていたかと思います。ご飯の時だけ起きて、それ以外は横になっていたり、食事も布団の中で食べることもあったかもしれません。しかし、少しずつ体調が良くなってきたら、食事の時は、なるべく椅子に座ってご飯を食べるようにしましょう。また、日中は、長時間でなくても、座る時間を多く取り入れることで、少しずつ体力と筋力がついてきます。

 

  • 散歩に出かける

おうちの中での生活で少しずつ体力がついてきたら、気分転換にもなるので、屋外へ出かけましょう。最初は、一人で出かけることが心配だという方は、おうちの人に付き添ってもらい、少しずつ距離を伸ばしていけるといいかと思います。例えば、スーパーに買い物に行くと買い物カートがあるので、無意識に長い距離を歩くことになります。すこし体力がついてきた頃に行くと良いでしょう。

 

  • 最後にご自宅でできる運動をご紹介します。

少しずつ体力がついてきたら、はじめてみましょう。

 

片足を上げて太ももの筋肉を鍛える運動

<運動方法と注意点>

  • 支える方の足は、片膝を立てた状態から始めましょう(腰痛予防)
  • 上げる方の足は、なるべく膝を伸ばした状態で太ももから斜め上に持ち上げるようにしましょう。
  • 慣れるまでは、ゆっくり足を上げて、1回ずつ足を床まで下ろしましょう
  • 回数は、片足10回を目安に行いましょう(※足を上げすぎると、効果が出なくなります。)

       

 

お尻を持ち上げて足の力をつける運動

<運動方法と注意点>

  • 両足が外や内側に倒れないようにしましょう。
  • お尻を固くするイメージで持ち上げましょう。
  • お尻を上げる高さは、少しでも大丈夫です。
  • 回数は10回を目安に行いましょう。
  • お尻を上げるときは、息を止めないように数を数えましょう
  • お尻を下ろすときは、ゆっくり下ろしましょう。

 

   

太ももの筋力と全身の体力をつける運動

<運動方法と注意点>

  • 背もたれや手すりに手を置いても大丈夫です。
  • 座った状態で足を交互に上に持ち上げます。
  • 足を上げたときに、なるべく背中が後ろに倒れないようにしましょう。
  • 回数は10回を目安に行いましょう

        

 

太ももの内側の筋肉を鍛える運動

<運動方法と注意点>

  • バスタオル2~3枚を丸めて使います。

(バスタオルがない場合は、枕でも大丈夫です)

  • 足の間にタオルを挟み、息を止めずに10秒間バスタオルをつぶすつもりで足を閉じましょう(うまくつぶせない場合は、3秒くらいから始めましょう)
  • 10秒間、足を閉じたらゆっくり足を開きましょう。
  • 運動するときは、息を止めないように自分で数を数えましょう。

 

体力向上と歩くときの筋肉を鍛える運動

<運動方法と注意点>

  • 何かにつかまって立つようにしましょう。
  • 回数は10回を目安に行いましょう
  • 膝などが痛い方は、無理せず中止してください
  • 立ち上がりがきつい方は、少し高い椅子から立ち上がると楽にできますので、状態に合わせて高さを調整しましょう

                

 

 

 

 

 

 

 

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