2018年2月5日 1:59 PM

『第74回理学療法通信』

『骨折について(後編)』

5   ★ 骨折が治る日数(おおよその目安) 

(治癒日数が早い)手指骨:3週間/肋骨:3週間/鎖骨:4週間

(治癒日数が遅い)大腿骨:10~12週間/脛骨・上腕骨:8~10週間

 

★ 骨折した部分が治るための条件 ★

①十分な固定 ②軟部組織の状態が良いこと

③骨折部に感染がないこと ④血流が良いこと

※これらの条件が満たされれば、正常に治っていきますが、どれか一つでも条件が悪いと治療日数は変化します。また、同じ部位の骨折であっても、骨折線の状態で骨折の治癒過程は変化します。そのため、骨折とひと言でいっても、治る日数には個人差があり、医師により臨床的な動揺性の有無とレントゲンによる仮骨形成の程度により判断されます。そのため、骨折後は医師の指示通り通院し、レントゲンをしっかり撮ってその都度診察してもらうことをお薦めします。  (仮骨形成:仮の骨)

 骨折は予防できる ★

骨を強くするためには、食事・運動・栄養が大切になります。そして、一番大切なことは骨折を防ぐために体のバランスを整えることにあります。特に高齢者は、外傷性骨折など外力が加わった時に、体がふらつかないように持ちこたえられる全身の筋力や協調性・バランスを崩した時に、とっさに足や手を出す反応力も必要になります。また、手や足をついて反応できても骨が骨粗鬆症でスカスカだと骨折のリスクが高まります。そのため、立った状態で壁に手をつく練習や何かにつかまり片足立ちになりバランスが崩れたときに足を出すという練習をしておくと効果的です。

また、日頃からストレッチや体操を行い体の柔軟性を高めておきましょう。そして、骨がスカスカにならないように、毎日30分程度歩いて、骨を強くしましょう。

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足の位置は変えずに体ごと倒れ、壁の直前で手をつく練習

日頃からストレッチなどを行い柔軟性の向上に努めましょう

軽く足を挙げて片脚立ちをする。倒れそうになったら、しっかり手または足を出して体を支える練習

 

 

 

2017年12月27日 1:37 PM

『第73回理学療法通信』

『骨折について(前編)』

1だいぶ寒くなってきました。寒くなると筋肉がこわばり、体が動かしにくくなります。そのため、10月以降は骨折が増えるとも言われています。これからますます寒くなるので、転倒には注意が必要です。骨折は、骨が折れる原因や折れ方(方向)により治癒過程が長くなったり短くなったりします。今回は、その骨折について少し詳しくご説明させて頂きます。

★ 骨折の分類 ★

【外傷性骨折】交通事故や高いところからの転落・高齢者の転倒などで見られる骨折で、正常な骨が外力によって折れるもの。

2

  • 開放骨折(複雑骨折):外傷性骨折の中でも、 皮膚が破れ、骨折部が外界と接するものを開放骨折という。開放骨折は、傷口から感染を起こす危険もあり、治療も難しい。
  • 閉鎖骨折:皮下骨折と言われるもので、皮膚は破れないため、感染の危険性はない。
  • 粉砕骨折:細かく骨が粉々になっている状態のもの。

病的骨折】がんの骨転移・骨の感染症・骨腫瘍・骨形成不全など骨に何らかの病的

状態があって、抵抗力が少なくなっている為、軽い力でも折れてしまう。

3

疲労骨折】陸上選手・球技などスポーツ選手に多い骨折で、比較的軽度の外力が

同一部位に繰り返し作用することで起こる。

 

★ 骨折線による分類:骨折線の走行により名称が変わる ★

横骨折  斜骨折   螺旋骨折  粉砕骨折    嵌入骨折

4

 

 

 

 

<その他の骨折形態の名前>

嵌入骨折/裂離骨折/亀裂骨折/圧迫骨折/陥没骨折/若木骨折/骨端線離解 など

 

 

 

2017年11月30日 12:10 PM

第72回理学療法通信

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『骨粗鬆症について』

★ 骨粗鬆症チェック ★

※ チェックに一つでも当てはまる方は、医療機関に受診するなり、

骨粗鬆症予防に心がけることをオススメします。

□ よくつまずく  □ タバコを吸う        □ 背中が曲がってきた

□ 閉経した          □  身長が縮んだ     □ コーヒーやお酒を多飲する

□ 家族が骨粗鬆症で骨折した                □ 外出が少なく、ほとんど歩かない

 

★ 骨粗鬆症予防のための基礎知識 ★

若いときは、骨は常に新しく、丈夫に作りかえられている

骨は破骨細胞(骨を壊す)骨吸収と、骨芽細胞(骨を作る)骨形成を繰り返し、常に新しく生まれ変わります。(1年で20%~30%)骨量は20歳代でピークを迎え、40歳代までは、ほぼ一定となり、それ以降、少しずつ減少していきます。

骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨を作る細胞が働きにくくなった状態を骨粗鬆症という

骨が丈夫でいられるためには、エストロゲンというホルモンが大きく関係しており、そのエストロゲンが骨形成と骨吸収のバランスをとっています。特に女性の場合、閉経によりエストロゲンの量が減ることで、骨形成と骨吸収のバランスが保てなくなり、骨吸収が骨形成を上回ることで、骨がスカスカになり、骨密度が下がってしまいます。また、カルシトニンの分泌(骨を壊すことを抑える働きをもつホルモン)と腎臓での活性型ビタミンDの合成の減少が起こり、骨が新しく生まれ変わりにくくなっていきます。骨密度が減り、骨の強度が低下したものを骨粗鬆症といいます。

 

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★ 骨粗鬆症にならないための対策 ★

骨粗鬆症予防は、バランスの良い食事と適度な運動が最適です♪

食事(緑黄色野菜を摂る)

 ■ カルシウム (牛乳・ヨーグルト・魚)

 ■ ビタミンK (納豆・キャベツ・ホウレン草 など

             ■ ビタミンD (サケ・秋刀魚・うなぎ・卵 など)

※ 補足 ビタミンDは、日光浴でも摂れます。

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 運動(骨を強くする)

 ■    ウォーキング(1日20分~30分くらいの運動)

 ■    片足立ち  (目を開けて1分間保持)

※ 補足

骨を強くするには、骨への長軸方向の刺激が必要です。ウォーキングや片足立ちで骨密度が増えるとされており、片足立ちでバランス能力を高めることは転倒予防にも役立ちます。

 

 

 

2017年7月24日 11:49 AM

理学療法通信再開のお知らせ

この度、しばらくお休みさせて頂いていた『理学療法通信』が平成29年10月より再開します。

2017年3月23日 3:43 PM

お知らせ

お知らせ

『理学療法通信』は、しばらくお休みさせて頂きます。

2016年7月28日 4:26 PM

第71回理学療法通信

『バランス能力~後編~』

 

高齢者はバランス能力が低下しており、少しのバランス崩れに対応できないため、転倒しやすい状態にあります。今回は特に足首の周りの筋肉を刺激できるような運動を中心に紹介したいと思います。

●片脚立ち
手すりにつかまり、片脚を上げた状態で立位を保つ。転倒に注意しながら手すりにつかまる手を少しずつ緩め、足首の微調整でふらつきを制御する。

●バランスディスク
バランスディスク(バランス練習専用の道具。無ければ厚手のクッションや畳んだタオル等で代用)の上に両足で乗り、立位を保持する。足元が不安定でグラつくため、足首に力を入れてバランスを崩さないように調整する。行う時には転ばないように手すりにつかまるなどして実施し、余裕があれば片脚立ちの状態で行っても良い。

●つま先上げ・かかと上げ
足の裏を床にしっかりと着けた状態で椅子に座り、足首を動かしてつま先を上に向け、元に戻す(足のすねの筋肉のトレーニング)。これを繰り返す。また、椅子に座った状態もしくは立って何かにつかまった状態で、背伸びをするようにかかとを上げ、元に戻す(ふくらはぎの筋肉のトレーニング)。これを繰り返す。

●足指じゃんけん
靴下を脱いだ状態で、足の指を「グー・チョキ・パー」と大きく動かす。

 

『バランス能力~後編~』

 

●タオルギャザリング(写真左→右)
靴下を脱ぎ、椅子に座った状態で広げた薄いタオルの上に片足を乗せる。かかとを着けたまま、足の指をグーパーと動かすようにしてタオルをたぐり寄せる。親指だけでなく、足の指全体を使えるように意識して行う。端まで来たら、タオルを元に戻して繰り返す。

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2016年6月15日 4:13 PM

第70回理学療法通信 

『バランス能力~前編~』

 

転倒してケガをする高齢者は多いです。転倒の大きな原因の1つがバランス能力の低下であるといえます。ここで言うバランスとは、姿勢保持や動作時の安定性・不安定性を示すもので、筋肉・骨・感覚などの様々な要素が正常に機能することでバランスは保たれ、転倒しない身体を作り出すことができます。
バランス能力と足関節・股関節は深い関係にあります。人は足関節(足首)と股関節をうまく使ってバランスをとります。足首でバランスをとることを専門用語では「アンクルストラテジー(ankle strategy):足関節戦略」と呼びます。一方、股関節でバランスをとることを専門用語では「ヒップストラテジー(hip strategy):股関節戦略」と呼びます。若い健常者は、少しバランスが崩れた時には足首の動きでバランスをとって姿勢を維持し、大きくバランスが崩れた時には股関節の動きでバランスをとります。ところが、高齢者の多くは、少しバランスが崩れただけでも足首ではなく、股関節の動きを使ってバランスをとる傾向にあります。足首でのバランス、つまりアンクルストラテジーで運動を制御する際には、足首周りの筋肉をしっかりと働かせることで姿勢を安定させることができます。しかし、高齢者は若い人ほど筋力がないので、足首の周りに力を入れてなんとかバランスをとろうとしても、うまくアンクルストラテジーが機能しません。そのため、自然とヒップストラテジーで運動を制御しようとします。しかし、ヒップストラテジーではアンクルストラテジーに比べて素早い反応が難しく、重心位置の調整が遅れてしまいます。そのため、高齢者は若い人であれば転倒しないような、わずかなバランス崩れにも対応できず、転倒に繋がってしまうのです。
転倒を予防するためには、太ももやお尻などにある大きな筋肉を鍛えることも大切ですが、足首周囲の筋肉を素早く、力強く働かせることも必要です。次回は簡単なバランストレーニングを紹介したいと思います。

2016年6月1日 5:11 PM

第69回理学療法通信

『生活不活発病~「動かない」と「動けなくなる!」~』

平成28年4月に、九州地方で続いた地震により、多くの方が非難生活を余儀なくされました。避難所生活では動く機会や果たす役割を失い、元気だった高齢者でも、寝たまま動かない状態になりがちです。その結果、生活動作がままならなくなり、活動する範囲が狭まる「生活不活発病」の状態となります。特に高齢者では筋力の低下、うつ状態、知的活動の低下、めまい・立ちくらみが起こりやすくなります。高齢の方にとっては「身の回りのことは自分でする」ということが「大事な役割」になります。次は自分の身に起こることかもしれません。そんな時には「寝るより座る、座るより歩く」で生活不活発病を予防しましょう。

 

【予防のポイント】
●なるべく動くことを心がけましょう
●日中、ずっと横にならないようにしましょう(1日1回布団を畳みましょう)
●身の回りを片付けましょう(歩きやすい通路を確保しましょう)
●「安全第一」は思い込み!(「無理は禁物」「動くと邪魔になる」とは思い込まないでください。但し、持病がある方、栄養状態の悪い方は、医療関係者に相談を。)

 

【周りの方へ】
○声をかけてください(静かで目立たない高齢者。眺めているだけでは本当の姿は分かりません。)
○「大丈夫」という返事を鵜呑みにしないでください(周りを気遣い「大丈夫」と答える高齢者。「立ち、座り、歩く動作」を普段から確認しましょう。)
○散歩やスポーツは、気分転換を含め活性化に効果的(「避難所生活なのに…」と遠慮せず、むしろ積極的に励ましましょう。みんなで啓発!)
○運動は「少ない量を、数多く」の原則(一度に多くの運動は逆効果になることも。運動の基本は、少ない運動を、小分けにして行いましょう)
*一日中横になっている、いざ動いたときに疲れやすい、起き上がったときの気分不良や立ちくらみ、うつ状態、一時的な知的能力低下などに気づいたら、医療関係者に伝えてください。

 

【災害時に体力を落とさないために】
歩ける人や、座っていられる人が体力を落とさないようにするための運動です。体調に合わせて無理のない範囲で、自己責任で行って下さい。
■歩ける人
転ばないように注意して歩きましょう。壁に手をつくなどして、スクワット、かかと上げ、足上げ(膝を伸ばしたまま前・横・後ろ方向に上げ下ろしする)などの運動を定期的にしましょう。
■歩くのがつらい人
じっとしていると体力が落ちます。症状がつらくなければ誰かと一緒に歩きましょう。つらくなったら休み、症状がひどくなったら早めに診てもらいましょう。
■歩けなかった人
・20分以上座れる人は、安定した物につかまって立つ練習をしましょう。立ってふらつかなければ足踏みをしてみましょう。
・5分以上座れる人は、体力をつけるために足の運動や座る時間を長くする練習をしましょう。仰向けで膝の曲げ伸ばしや足首の運動、腰をねじる運動などをしましょう。
・座れない人は、誰かと一緒に座る練習をしましょう。仰向けで膝の曲げ伸ばしや足首の運動、腰をねじる運動などをしましょう。

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