2016年6月1日 5:11 PM

第69回理学療法通信

『生活不活発病~「動かない」と「動けなくなる!」~』

平成28年4月に、九州地方で続いた地震により、多くの方が非難生活を余儀なくされました。避難所生活では動く機会や果たす役割を失い、元気だった高齢者でも、寝たまま動かない状態になりがちです。その結果、生活動作がままならなくなり、活動する範囲が狭まる「生活不活発病」の状態となります。特に高齢者では筋力の低下、うつ状態、知的活動の低下、めまい・立ちくらみが起こりやすくなります。高齢の方にとっては「身の回りのことは自分でする」ということが「大事な役割」になります。次は自分の身に起こることかもしれません。そんな時には「寝るより座る、座るより歩く」で生活不活発病を予防しましょう。

 

【予防のポイント】
●なるべく動くことを心がけましょう
●日中、ずっと横にならないようにしましょう(1日1回布団を畳みましょう)
●身の回りを片付けましょう(歩きやすい通路を確保しましょう)
●「安全第一」は思い込み!(「無理は禁物」「動くと邪魔になる」とは思い込まないでください。但し、持病がある方、栄養状態の悪い方は、医療関係者に相談を。)

 

【周りの方へ】
○声をかけてください(静かで目立たない高齢者。眺めているだけでは本当の姿は分かりません。)
○「大丈夫」という返事を鵜呑みにしないでください(周りを気遣い「大丈夫」と答える高齢者。「立ち、座り、歩く動作」を普段から確認しましょう。)
○散歩やスポーツは、気分転換を含め活性化に効果的(「避難所生活なのに…」と遠慮せず、むしろ積極的に励ましましょう。みんなで啓発!)
○運動は「少ない量を、数多く」の原則(一度に多くの運動は逆効果になることも。運動の基本は、少ない運動を、小分けにして行いましょう)
*一日中横になっている、いざ動いたときに疲れやすい、起き上がったときの気分不良や立ちくらみ、うつ状態、一時的な知的能力低下などに気づいたら、医療関係者に伝えてください。

 

【災害時に体力を落とさないために】
歩ける人や、座っていられる人が体力を落とさないようにするための運動です。体調に合わせて無理のない範囲で、自己責任で行って下さい。
■歩ける人
転ばないように注意して歩きましょう。壁に手をつくなどして、スクワット、かかと上げ、足上げ(膝を伸ばしたまま前・横・後ろ方向に上げ下ろしする)などの運動を定期的にしましょう。
■歩くのがつらい人
じっとしていると体力が落ちます。症状がつらくなければ誰かと一緒に歩きましょう。つらくなったら休み、症状がひどくなったら早めに診てもらいましょう。
■歩けなかった人
・20分以上座れる人は、安定した物につかまって立つ練習をしましょう。立ってふらつかなければ足踏みをしてみましょう。
・5分以上座れる人は、体力をつけるために足の運動や座る時間を長くする練習をしましょう。仰向けで膝の曲げ伸ばしや足首の運動、腰をねじる運動などをしましょう。
・座れない人は、誰かと一緒に座る練習をしましょう。仰向けで膝の曲げ伸ばしや足首の運動、腰をねじる運動などをしましょう。

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